Chaos And Disorder」 (S)
「カオス・アンド・ディスオーダー」
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このアルバムと未発表曲集の「The Vault... Old Friends 4 Sale」をもって18年に渡るワーナーと契約を完了する為、ジ・アーティストにとってはワーナーで作った事実上最後の新録アルバムです。
一刻も早く呪縛から解かれる為にサントラ「Girl 6」から僅か3ヶ月という短い間隔、そしてレコーディングをたった1週間で仕上げてしまったと噂されるこのアルバムは、"混沌と無秩序"というタイトルや「1999」のアナログ盤を踏みつけたジャケット、荒削りなサウンド等からもその意図が読み取れるアルバムです。

アルバム収録の時点では既に解散していたと言われている当時のThe New power Generationを再度結成し制作されたこのアルバムは、ジ・アーティストが用意した楽譜を渡し、まるで1発録音した様なワイルドさとライブ感があります。
この感覚は、コンサート後のアフター・パーティで演奏されている様な雑然とした中にも一本筋が通った感じがします。

バンドとしてのクオリティは申し分ないのですが余計な音が多い様に感じられるハード・ロック調のタイトル・トラック"Chaos And Disorder"からスタートし、"Peach"っぽい感じのシンプルなロック・ナンバーの"I Like It There"、社会風刺をしているファンキーなナンバーの"Right The Wrong"等、この頃のジ・アーティストの攻撃的な感情が浮き出た楽曲が聴かれます。
特に、たった1分26秒と取って付けたような曲の"Had U"や、途中にレゲエ調のラップをインサートしたグルーヴ感のある"I Rock,Therefore I Am"(我ロックす、故に我あり)では、ワーナーに対する感情が顕著に出た作品だと思われます。
ミディアム/スロー系では、ファースト・シングルとしてはちょっとインパクトの弱さが否めない"Dinner With Delores"、スロー・テンポから徐々に高揚してく辺りが"Dolphin"を思わせる"Into The Light"から"I Will"のメドレーは全体のバランスからすると少々違和感を感じます。中でも"Into The Light"は2分46秒と短く、もっと長く作れば秀作になると思えるだけに残念な気がします。
この他にはビデオ「アンダーティーカー」で既に耳馴染のブルース・ファンクっぽい"Zannalee"や、テンポがコロコロ変わる"The Same December"辺りも面白いです。

一般的にこのリリースから4ヶ月もしないうちにリリースされた「Emancipaition」の内容を考えるとクオリティの面で指摘されがちですが、この短期間で制作したプリンスの才能はやはり凄いと実感させられますし、この荒削り感はストレートな感情を表現した作品として貴重なアルバムと言えます。
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