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#プリンス のドキュメンタリー映画『プリンス ビューティフル・ストレンジ』レビュー

プリンスの誕生日(6月7日)に公開されるドキュメンタリー映画『プリンス ビューティフル・ストレンジ (原題:Mr. Nelson On The North Side)』
今回、配給されるアルバトロス・フィルム様のご厚意で一足早く観ることが出来ましたので、極力ネタバレをしない程度で紹介します。

プリンス ビューティフル・ストレンジ

原題:Mr. Nelson On The North Sideと日本上映までの流れ

『Falling Fire』(1998)で長編監督デビューを果たしたダニエル・ドール(Daniel D'Or)が監督を努めたドキュメンタリー映画で2021年4月24日にネット配信で公開。2022年に開催されたカンヌ世界映画祭(Cannes World Film Festival - Remember the Future)の〈最優秀長編ドキュメンタリー賞〉を受賞しました。
北米の配給会社が倒産した事で一時頓挫していましたが、アルバトロスとキュリオスコープ両社の粘り強い交渉により2年を経て世界に先駆け日本独占公開となりました。

非公認のドキュメンタリー

このドキュメンタリーがプリンス財団(プリンス・エステート)非公認であるという点がファンの間で話題になりました。
恐らく制作後にエステートに対してアプローチはおこなったと思うのですが、冒頭で「プリンス・エステートは本作と無関係であり本作関係者に知的財産をライセンス共有していません。」と表明されている事から、監督(またはインタビューに応じた関係者達)の意思によるもので、関係者が所有する知的財産を守るためにも”公認を得ない方が得策”と考えたものと思われます。

プリンスが育った北ミネアポリスに焦点を絞ったドキュメンタリー

原題訳”ノース・サイドのネルソン氏”(プリンスの本名はプリンス・ロジャーズ・ネルソン)、そして冒頭で「本作をプリンスと北ミネアポリスの皆様と世界中のプリンス・ファンに捧げます。」と紹介されるとおり、本作はプリンスが育ったノース・ミネアポリスに焦点を絞ったドキュメンタリー作品です。

ミネアポリスの歴史とプリンスが才能を発揮した場所、ザ・ウェイとラジオ局

冒頭はミネアポリスとプリンスが生まれた当時に起こっていた公民権運動の歴史を簡潔に紹介。若きプリンスが肌で感じた人種差別の影響が歌詞に大きな影響を与えたかを知ることができます。
厳しい時代に住民の拠り所となったのが1966年にノース・ミネアポリスのプリマス・アベニューにオープンしたコミュニティ・センター〈ザ・ウェイ〉です。
ザ・ウェイは、黒人の若者たちが共に学び創造するためのスペースで、幅広い教育的レッスンを提供。クレイグ・”ピート・ウェスト”・ピーターソンや後にNPGメンバーでプリンスの師となるソニー・T(ソニー・トンプソン)といった地元のパフォーマーたちから学ぶ貴重な機会を提供した場所で、プリンス少年は12歳の時にセンターにやってきました。
代表のハリー”スパイク”モスをはじめ、プリンスと演奏を共にした関係者達の貴重な証言を聞くことができます。
また、当時開設されたツイン・シティ(ミネアポリスと州都セントポールを合わせた総称)初のラジオ局KMOJの話も貴重なものです。

青年期を知る幼馴染のインタビュー

ファンの間では有名な話ですが、プリンスは学生の頃に家出し友人のアンドレ・シモーンの家に居候。当時の様子をアンドレの姉妹とモーリス・デイのいとこが貴重な写真と共に話しています。

コミュニティでの経験を後世につなぐ

プリンスがザ・ウェイで得た経験は計り知れないもので、ここでの体験はプリンスの財産となり、ミネソタの州民だけでなく世界中にいた才能ある人達をサポートしていった事を伝えています。

チャカ・カーンをはじめ多くの関係者がプリンスの足跡を証言

後半ではプリンスと親交のあったチャカ・カーンとの出会い(このエピソードは必見)はをはじめ、著名人、レコーディング・エンジニア、ペイズリー・パークの管理人などが証言。
また2000年代からおこなっていたファンとの交流の手段だった公式サイトnpg music clubやイベント〈セレブレーション〉、また流通に対する問題提起などについてファンの証言も数多く収録された部分は監督のこだわりが感じられるパートで、プリンスの存在をより身近に感じる事ができます。

最後に...

本作はプリンスの人格形成に最も影響を与えた10代の環境を知る事が出来る貴重なドキュメンタリーと言えます。
インタビューの合間に時折登場するプリンスの発言も、数々のインタビューを観た上で聞くことで改めて”重み”を感じる事ができました。改めてプリンスを好きになって良かった...

今回の日本上映のニュースはは海外ファンの間でも話題になっています。
本作が世界に先駆け日本で最初に劇場公開され、日本から世界にプリンスの素晴らしさを発信できる事に喜びを感じています。
今回は個人で楽しみましたが、早く劇場でファンの方達と一緒に感動を共有したいです!

 

公式サイト

映画『プリンス ビューティフル・ストレンジ』公式サイト
映画『プリンス ビューティフル・ストレンジ』公式サイト

prince-movie.com

公開劇場情報

都道府県劇場電話番号公開日前売り
北海道サツゲキ011-221-38026月28日(金)~-
群馬県シネマテークたかさき027-325-1744順次公開-
千葉県千葉劇場043-227-45916月14日(金)~-
東京都新宿シネマカリテ03-3352-56456月7日(金)~-
東京都アップリンク吉祥寺0422-66-50426月7日(金)~-
神奈川県あつぎのえいがかんkiki046-240-06006月28日(金)~-
静岡県シネマサンシャイン沼津055-926-77126月28日(金)~-
富山県ほとり座076-422-0821順次公開-
静岡県浜松シネマイーラ053-489-5539順次公開-
大阪府テアトル梅田(旧シネ・リーブル梅田)06-6440-5930順次公開-
京都府アップリンク京都075-600-7890順次公開-
兵庫県シネ・リーブル神戸078-334-2126順次公開-
愛媛県シネマサンシャイン重信089-990-15136月28日(金)~-
福岡県KBCシネマ092-751-42686月7日(金)~-
熊本県Denkikan096-352-2121順次公開-
沖縄県桜坂劇場098-860-95556月29日(土)~-

最新情報は公式サイトをご覧ください。

プリンス ビューティフル・ストレンジ
プリンス ビューティフル・ストレンジ

theaterlist.jp

プリンスとMr.Nelson On The Northside 吉岡正晴氏

4月20日に埼玉県朝霞市の〈New Power Studio〉で行われたイベント『Purple University 13』にて吉岡正晴さんが映画について解説されましたのでリンクを貼っておきます。(対談相手はイベントの主催者である二重作拓也さん)

参考4月20日:埼玉県朝霞市〈New Power Studio〉にて「Purple University 13」開催

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